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【第2回】小学校の英語教育義務化について

今年の4月から、小学校5・6年生で英語教育が必修になりました。これについては、賛否両論で、現在も異議を申し立てている方も多くいます。

私は現在、英会話教室で幼稚園?小学生に英語を教えています。英語教育が必修になったことで、英語教室に通う子どもが増えると予想していましたが、そうではなく、「学校で習うからわざわざ通わせる必要がない」と思う親御さんも多いようです。

小学校での英語教育に反対をしている方の意見を聞くと、「英語教育は中学校からでもいい」「学校で英語を教えても話すようにはなれない」という理由でした。小学校5.6年生が英語を学習することは、無意味なことなのでしょうか。

実際に、現在行われている英語指導は、「英語ノート1」「英語ノート2」という、具体的に活動内容が決めてある本に沿って進められています。
レッスン1から9まであり、世界のあいさつ、動物、月、曜日、職業、家族、色、数、などがトピックとして設定されています。
また、日本の国の素晴らしい文化を世界に発信できるような話題も豊富に取り入れてあります。英語に慣れ親しみながら、国際理解ができるような副読本になっているようです。

私は、指導内容ではなく、生徒に英語を教える先生に問題点を感じています。

文部科学省によると、英語指導は、「担任の先生が主導する」ことを基本にしています。
しかし現状は、学校教員で英語を教えられる先生が少なく、ALT(外国語指導助手)という外国人が指導を手伝ったり、中学校籍の英語教員を派遣したりする場合があります。また、3月11日に発生した東日本大震災で、多くの外国人が母国に帰国したことを受け、英語が話せる日本人が助っ人として指導にあたることもある状態です。

このように、教える立場の人が、現在手さぐりの状態で指導を行っています。
また、英語教育がスタートしたことで、学校の先生たちの負担も増え、精神的にもパンク寸前の先生も少なくありません。

これは個人的な意見ですが、「小学校での教育=担任の先生」に振り分けるのではなく、英語教育は英語のプロ、ネイティブの先生にすべて任せるなどの処置を取るべきだと考えています。
そうすることで、先生の負担も少なくなり、ほかの教科などに支障がなくなるはずです。それには、予算など金銭的な問題や、人員の確保などについて議論が必要になりますが、今の英語教育を続けることがよいとは思えないのです。

現在の教育方針では、ただほかの教科の学習時間を削り、英語教育を無理やり入れているとしか考えられません。
また、英語習得において、発音は大切な要素の一つです。そこを、英語があまり話せない日本人の先生が教えることは、無理があると思います。
発音が悪ければ、実際に英語で会話するときに、相手に通じません。

小学校から英語を取り入れることは、これからのグローバル社会に対応するためにも悪い選択ではありません。しかし指導について再度考え直す必要があるはずです。

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