学校教育を離れた成人、高齢者を含めた生涯学習。その生涯学習と一口に言っても、青少年向けの学習を支援する場合と、成人や高齢者の学びを、社会の中で支援していく場合とでは、学習方法も、そこに用いられる教材も違う。
しかし生涯学習の理念は、全ての人の学ぶ権利を生涯にわたって保障しょうというものでそこは一徹している。
今、文科省で進められている"生涯学習体系への移行に"開かれた大学"を目指している大学との理念、と現状を検討してみたい。
日本において大学開放が実施されたのは、1946年の大学開放公開講座であった。最もその前から慶應義塾(慶應大学)、東京専門学校(早稲田大学)、東京法学校(法政大学)など民衆のため開かれた大学を目指そうとの動きはあったのは確か。
現在は、臨時教育審議会の答申を受けて、生涯学習体系への移行が教育改革の重要な視点の一つとして捉えられている。
生涯学習の体系作りの一貫として、大学開放の重要性が指摘されている。そこでどのように地域とかかわり、どのような講座を実施しているのか、一つの例を取上げて見たい。
調布市における明治大学と市民との生涯学習の例である。
明治大学は、市の生涯学習交流推進課と、相互友好協力協定締結を結び、市民対象に各種の講座を、駿河台キャンパスで実施している。
その母体となっているのが、明治大学リバティーアカデミーである。その理念は、明大の様々な知的資産を、社会に向けて開放し、人々の出会い、交流するのを目的に開設された生涯教育機関としている。
実施されている講座は、「クラッシックの名曲と女性たちー名曲誕生を巡ってー」「太平洋の島に生きる人々」など多彩で、若者から高齢者まで、幅広い受講者が真剣に取り組んでいるのが印象的であった。