2011年度よりスタートした、小学校5~6年(高学年)での「外国語活動」。
子どもたちは体験的な活動を通じて英語や外国文化についての知識を身につけ、積極的にコミュニケーションを図ろうとする姿勢を伸ばしている。
これまでの英語学習は、各地域の教育委員会や学校の采配に任されていた。そのため活動内容は地域や学校(公立か私立か)によって大きく異なり、以前から英語活動に熱心に取り組んできた学校と、今春から新たに活動を始めた学校とでは当然ながら充実度に差がある。
その差をどう縮めていくかが、今後の大きな課題のひとつだろう。
ちなみにお隣の中国や韓国を見てみると、中国は2001年、韓国は1997年より小学校に英語を導入。「国際社会で活躍するために英語は不可欠」とし、韓国にいたっては小学校3~6年の英語の授業は原則として英語のみで実施。また両国とも、英語の塾に通う子どもの数は増え続けている。
外国語活動の成果はさまざまな形で上がってきているようだが、他国の状況と比べると、日本の英語教育が遅れを取っていることは否めない。学校と行政が一丸となり活動内容のさらなるレベルアップを目指していくのはもちろん、親も学校に任せきりにせず、英語教育に関心を持つことが不可欠だろう。
子どもを英語教室や塾に通わせるだけでなく、CDやDVDを利用して英語に触れさせるなど、親が自宅でできることは一杯ある。 外国語活動はまだ始まったばかりだが、その行く末を左右するのは、ひとりひとりの意識改革にかかっている。
●児童・教員の意識の変化
外国語活動をおこなうことで、貴校の児童に変化はありましたか?
とてもあった | 32.5% |
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まああった | 63.4% |
あまりなかった | 3.3% |
まったくなかった | 0% |
- ・積極的に英語を聞いたり話そうとしたりする児童が増えた。
- ・日本や外国の様子などに対する興味・関心が高まり、授業以外の時間を使ってさらに調べようとする児童が増えた。
- ・発表や友達との会話などの場での英語による自己表現力が身に付いてきたと思うことが多い。など
外国語活動をおこなうことで、貴校の教員に変化はありましたか?
とてもあった | 40.7% |
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まああった | 52.8% |
あまりなかった | 6.5% |
まったくなかった | 0% |
- ・授業に対する苦手意識や抵抗感がなくなった。
- ・授業づくりに積極的になり、今では自信を持って授業をする教員が増えた。
- ・自分の英語力を高めようとする意識が芽生えた。
- ・児童がコミュニケーションを図る必然性を活動に持たせることを大切にするようになった。など
出典:文部科学省「英語教育改善のための調査研究事業に関するアンケート調査結果について」より抜粋。
調査対象は、平成21年度「英語教育改善のための調査研究事業」の調査研究校、小学校123校における、児童31,914人及び教員123人。